Top -> スペースリー ニュース一覧 -> 企画展示:Photo VR 沢渡朔「水辺」 野村佐紀子「0283」
Photo VR開催にあたっての写真芸術の背景と今回の展示内容:
カメラ・オブスキュラの誕生以来、撮影及び鑑賞方法の進歩と共に写真芸術の幅は拡大してきました。デジタル技術を使った写真表現が主流となり、簡易に360度が撮影できるデジタルカメラが浸透し、VRを使って写真を鑑賞する環境が整った今、写真芸術にとって新たな可能性が開かれたといっても過言ではありません。
沢渡は撮影者が構えたカメラのファインダーの奥に、いま、ここにあるものを撮影する一般的な写真撮影方法とは違い、撮影者自身も含めた空間全体が撮影される360度カメラの特性を生かして、写真の現像空間である暗室にて「Rain」シリーズを捉え直した作品を展示し、野村は写真に鑑賞者が入り込み、撮影された写真のモチーフを鑑賞者が能動的に捉える必要のあるVRの特性に着目し、日本およびタイにて撮影した283枚の写真の中から選出した作品を展示します。
アーティスト:
沢渡朔 SAWATARI Hajime
1940年東京生まれ
日本大学芸術学部写真学科在学中より写真雑誌等での作品発表を始め、日本デザインセンター勤務を経て、1966年よりフリーの写真家として活動、現在に至る。1973年日本写真協会年度賞、1979年講談社出版文化賞写真賞受賞。
『NADIA 森の人形館』/毎日新聞社、 『少女アリス』『海からきた少女』/河出書房新社、『小沢征爾』/集英社、『昭和』伊佐山ひろ子/宝島社、『hysteric ten』『a girl』/hysteric glamour、 『Cigar』三國連太郎/パルコ出版、『60’s』 『60’s 2』/ワイズ出版、『森山大道×沢渡朔』『Kinky』/Akio Nagasawa Publishingの他、主に女性を被写体とした写真集多数。
「15人の写真家展」東京国立近代美術館(1974年)、「検証・沢渡朔の写真美学」ガーディアン・ガーデンクリエイションギャラリーG8(1998年)、「夜」PlaceM(2012年)、「TOKYO 1970~BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS 9~」アルマーニ銀座(2013年)等、個展、グループ展多数。
野村佐紀子 NOMURA Sakiko
1967年山口県下関市生。
九州産業大学芸術学部写真学科卒業後、91年より荒木経惟に師事。
93年初の個展「針のない時計」を開催以降、東京を中心に ヨーロッパ、アジアでも精力的に個展・グループ展を行い高い評価を得ている。
13年さがみはら写真新人奨励賞受賞。2015年フランスにて開催された日本人アーティスト8名によるグループ展「Another Language 」展(アルル国際写真フェスティバル)に出展。
主な写真集に『裸の時間』(97)、『愛の時間』(00)、02年『黒猫』(02)、 『夜間飛行』(08)、『黒闇』(08)、『NUDE/A ROOM/FLOWERS』,(12) 『Another Black Darkness』 (16).など。
スペースデザイン:
T/H