弊社取締役中嶋が執筆した記事は以下です。
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2016年はVR元年と言われ、VR技術の活用が様々な分野で始まりました。
VRと一言でいっても、ゲームのように作り込まれたコンテンツを高価な機材で体験するものから、スマートフォンで手軽に体験できるものまであります。不動産業界におけるVRの活用も、高性能なものもあれば手軽なものもあります。ビルや施設などの設計段階で、CGで作った3Dモデルの中を動き回るための目的であれば制作コストもかかりますし、高価な機材が必要になります。一方で、賃貸物件の内見目的であれば、360度写真を素材としたスマホVRでも十分です。
不動産業界でも、賃貸や売買、オフィス賃貸、新築モデルルーム、マンスリー、シェアハウスなど、あらゆる業態でVRの活用が始まりました。
それでは、なぜ昨年になって、ビジネスにおけるVRの活用が進んだのでしょうか。
大きな理由としては、制作の面でも利用の面でも、VRが非常に手軽なものになったからと考えられます。
まず、スマホの進化、普及が大きいと言えるでしょう。日本国内で手に入るスマホの98%(当社試算)がVRに対応しています。
(参考記事:「
スマホVRに必要な機種やブラウザについて〜2016年の国内普及率は98%〜」)
第二に、リコー社の「シータS」など、3万〜4万円程度の360度カメラで、十分な画質の360度写真が手軽に撮影できるようになりました。これまでは、360度写真を撮るためには高価な機材と専用ソフトを使い、写真をつなぎ合わせる必要がありました。360度カメラであれば、写真のつなぎ合わせまで自動処理でできるため、専門家に依頼しなくても撮影ができるようになりました。
VR用のヘッドセットが低価格になったのも普及の要因でしょう。段ボール製ではなく、プラスチック製のものでも1000〜2000円程度で購入できます。また、大きくてかさばるゴーグル型のものだけでなく、通常の接客や営業の場面でも違和感なく使えるような、ポケットサイズのVRグラスも出てきています。
VR自体は必ずしも新しいものではありません。むしろ1960年代から研究されている古い分野です。しかし、VRコンテンツの制作コストが大幅に下がり、高機能のスマホが普及したことで、VR活用のインフラがここ数年で急速に整ってきました。もはや不動産業務におけるVR活用は大手企業のためだけのものではなく、中小の不動産会社でも十分に活用できるものとなっています。
次回以降は、具体的な活用事例にスポットライトを当てていきたいと思います。
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